この唇が離れたら……
          きっと、もう二度と逢う事は無い。

其れはココ自身が望んだ事。
離れて生きる。 そう決めた。

  そして、初めて唇を許した。

最後だから。
そう言い聞かせて、トリコの腕の中に収まった。



重ね合わせた唇が、ゆっくりと浮かせられる。
離れそうになる寸前に、再び引き寄せたのはココの方だった。
ココの行動を問う事もせず、太い腕は再び緩く抱き寄せてくれる。



トリコに対する執着が、どれほど深いのかを思い知る。

いっそ、舌先に猛毒を忍ばせようか……
           そんな事すら、思ってしまう。




離れて生きる。 そう決めた。


   そう決めた、筈だった……。


  なのに何故、心が潰れそうになるのだろう。

  なのに何故、涙が零れ落ちてゆくのだろう……。