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trick or … tricky? 「トリック・オア・トリート!!」 聞き慣れた大声と共に、勢いよく開かれた玄関扉。 唐突に訪ねて来た旧友の姿をマジマジと見詰めてから、ココは堪らずに、プッ…と吹き出して笑った。 「何やっているんだ、トリコ。 なんだよ、 その可愛らしい犬耳と尻尾は?」 「狼男だよっ! ハロウィンの扮装に決まってるじゃねぇか。甘〜い菓子をくれなきゃ、悪戯するぜ〜」 キシシと犬歯を見せて笑いながら近付いて来るトリコに、ココは溜息を吐いて呆れた視線を投げる。 「子供か、お前は……」 「永くて短い人生に、遊び心を忘れちゃつまんねぇだろ。ほらココ。トリック・オア・トリート?」 ニヤリと性質の悪い笑みを浮かべながら、トリコはココの前に右手を差し出した。 トリコが住むお菓子の家を「見ただけで胸焼けがする」と評するココが、菓子など持っていない事は承知している。 トリコの目的は、悪戯のみ。 しかも、『悪戯』の種類がお菓子を貰い損ねた子供のソレと全く異なるモノだと言う事が、トリコの表情から明らかだった。 「………全く、仕方が無いな」 吐息と共に呟いたココが、トリコの右手に自分の左手を重ねる。 そのまま指を絡めて組み合せ、右手でトリコの頭を引き寄せた。 ココの煽情的な行動に目を丸くしていたトリコの唇に、柔らかな唇が重なる。 押し付けられた唇は直ぐに浮かされた、が……離れる寸前に赤い舌が、ちろりとトリコの唇をなぞりあげた。 「……Happy Halloween」 離れたココの唇から出たのは、子供達にお菓子を渡す時の言葉。 くすり…と小さく笑ってから、繋いでいた手をするりと解き、ココは踵を返した。 「…え? おいココ?」 「夕食、食べていくんだろ? 今から支度するから、大人しく座って待ってろよ」 「あ? ああ、食ってく…けど………あの〜、ココ? ハロウィンの菓子は?」 すっかり『悪戯』のタイミングを失ったトリコが、早々に調理場に向かおうとするココを呼び止める。 振り向いたココは、自分の唇を人差し指で指し示し、艶然とした笑みを浮かべて言った。 「甘かっただろ?」 ………コレは、お誘いなのだろうか? しかしココにしてみれば、さっきのキスでハロウィン終了なのかも知れない。 ココの気分を計り間違えて強引にコトに及ぼうとすれば、分厚いディフェンスと手痛い制裁が待っているのは間違いない。 その時のココの恐ろしさを、トリコは身をもって知っている。 確かに今日は、『悪戯』する気満々で会いに来たのだが……。 尻尾を下げて大人しくしておくべきか… 毒砲を喰らう覚悟で襲い掛かるべきか………。 結局、堂々巡りの思考に陥ってしまった狼男は、ココが夕食の支度を完了するまで、其の場で石像と化していた。 |
トリココ祭10月のお題『ハロウィン』作品。
祭掲載の作品数は表だけで50作品でした!vv
絵茶ログは一纏めで1カウントだし、絵版も有るから、実際はもっと沢山v
改めて、予想を上回る企画でした! 感謝!!