3代目御礼文1種



《パラレルSS・ネココ編》


大きな腕に抱き締められて、強張っていた身体から漸く力が抜けた。

「遅くなって悪かった。心配しただろう?」
そんな事無いと、強がった言葉を吐こうとしても、「みゃー…」と、か細い鳴声しか出て来ない。

意地っぱりで手間の掛かる自分に呆れて、もうトリコは帰って来ないんじゃないかと思ってしまった。
此処はトリコの家なのに、自分だけ置き去りにされたんじゃないかと思ってしまった。

家の中の筈なのに、寒くて寒くて心細くて……
  冷たい雨に打たれながら、空腹と寒さに凍えていた頃を思い出してしまった。

トリコの腕の中が温かくて……泣きたいくらいに温かくて……
  爪を立て過ぎないように気を付けながら、ぎゅっ…と、しがみつく。

「ゴメンな、ココ。 もう、寂しい思いはさせないからな」
優しい声と共に、今にも涙が零れ落ちそうだった目元に唇が降りて来た。

そのまま頬を滑り下りたトリコの唇が、ココの唇を覆う。
涙の味を直接伝えられて、ココの耳が、ぴるる…と、震えた。



もはやトリココ界の王道ネタじゃないかと思われる、ネココv
祭に掲載した選択小説の一つとして書いていましたが、載せ損ねていたSSです。
エコ時代だし、SSもリサイクルしないとmottainai!





(09/9/4 up)